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商標審査基準の改定




 

古谷国際特許事務所ニュースレター197号
(C)2017.4 FURUTANI PATENT OFFICE
2017.4.13



概要



 商標審査の基準を定める商標審査基準が改定され(改訂13版)、4月1日以降の審査より運用されています。




改訂のポイント


 いくつかの改訂がなされていますが、実務上、以下の2点が影響の大きい内容かと思われます。

1.同一人が同一商標について、指定商品・役務を拡大して別出願をした場合の登録を認める
 従前は、既に登録済みの商標について、業務を拡大する場合、指定商品・役務を指定して別の出願をする必要がありました。元の登録商標に含まれる指定商品・役務を含めて新たな出願をすると、元の商標登録で拒絶されていたからです。たとえば、下図のように、商標「ABC」について、当初「プログラム」についてのみ登録を受けていた。その後、事業の拡大により、商標「ABC」にて、ハードウエアである通信機器を販売することになった。そこで、商標「ABC」について、指定商品「プログラム」「通信機器」として出願を行うと、先の登録と重複があるとして拒絶されていました。


 今回の審査基準改定により、上記のような出願も、登録が認められることになりました。


2.親会社と子会社の商標の取り扱いを柔軟にする
 親会社と子会社の出願が抵触する場合(商標・指定商品役務が類似する場合など)、従前は、異なる出願人の出願であるとして拒絶されていました。今回の改訂により、親会社、子会社のように支配関係にある会社間では、抵触する場合であっても、条件を満たせば登録が認められます。(1)支配関係にあることの証明、(2)抵触する商標の商標権者が登録を了承している旨の証明書を提出することで、登録が認められることになります。


 従前は、出願名義を一旦親会社にして登録を受けた後、子会社に権利を譲渡するなど複雑な手続が必要でしたが、今回の改訂により手続が簡素化されることになります。




その他


 改定された審査基準は、特許庁のHPより入手可能です。




NOTES


古谷国際特許事務所は、Joint Thinkingをテーマに、クライアントとともに考え、そして問題解決を知財の観点からサポートしています。>
この資料は、下記の著作権表示をしていただければ、複製して配布していただいて結構です(商業的用途を除く)。 (C)2017 FURUTANI PATENT OFFICE /



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