松下正
Tadashi Matsushita
■弁理士 松下 正(まつした ただし) Tadashi MATSUSHITA, Patent Attorney
弁理士(登録番号10101)

■私のモットー
1.仕事に対する姿勢は『粘り』です
 プライベートでは細かいことは気にしないのですが、仕事ではなぜか気になります。特に発明の本質的なところについては、「なぜですか」「どうしてですか」の連発になります。なぜこうなったのか、弁理士人生を振り返ってみました。
 @判例研究をしてみて
 私は1990年(平成2年)に弁理士試験に合格しました。実務経験ゼロから・・・〔続きはこちら〕
 A訴訟を経験してみて
 出願処理だけでなく、特許権侵害訴訟の代理人をやりました。訴訟で勝つためには・・〔続きはこちら〕
 B思いを伝える代弁者として
 『粘り』により出願発明の本質を明確にしたとしても、・・・〔続きはこちら〕

2.特許以外も扱っています
3.知財判例速報の配信をやっています


■主な経歴
・1958年10月 神戸生まれ
・1981年3月 立教大学法学部卒業
・1981年4月 ドッグ・ビューティサロン・ユミ鞄社
・1986年1月 鰹シ本製作所に入社、開発室にて金型の設計に従事
・1991年9月 弁理士登録、古谷国際特許事務所入所
・1996年4月 米国CUSHMAN DARBY & CUSHMAN(現Pillsbury Winthrop Shaw Pittman LLP)事務所にて研修
・2004年1月 特定侵害訴訟代理業務の付記登録

■得意とする分野
・ソフトウエア・ビジネスモデル特許出願、侵害訴訟、コンピュータプログラムの著作権

■個人のウエブサイト
知財みちしるべ

■E-mail:

■主な活動
・平成19年度日本弁理士会ソフトウエア委員会委員長
・関西大学大学院商学研究科非常勤講師(特許法・著作権法)
■所属学会、会員
・日本ライセンス協会
・著作権情報センター
・ソフトウェア情報センター(SOFTiC)
・ソフトウエア著作権協会(ACCS)
・アジア弁理士協会日本部会コピーライト委員会(APAA)
■主な著作・論文                                  
・1992年12月『知って得するソフトウエア特許・著作権』アスキー出版
・1994年7月『コンピュータ関連発明の保護<ヨーロッパ特許庁>X線装置事件審決』パテント誌
・1995年10月『日本はコピー天国か?』化学同人誌
・1995年12月『ソフトウエア法務の上手な対処法』民事法研究会
・1996年11月『情報リスク管理法務NO.7知的財産権』日本マネージメントアカデミー
・1999年6月『機能表現クレームと均等論』パテント誌
・2000年5月『中古ゲームソフト判例からみるディジタル著作物の保護に関する考察』知財管理
・2003年4月『補正における新規事項の検討』(共著)日本弁理士会パテント誌
・2004年4月『補正に関する審査基準(新規事項)運用の緩和』パテント誌
・2005年4月『プログラム著作権に関する損害額についての考察』企業と発明
・2005年7月『図形商標における「混同のおそれ」の判断』知財管理2005年7月号(VOL.55 No.8)1105頁
・2006年4月『ソフトウエアビジネス体系の変貌と権利行使の可能性に関する一考察』(共著)パテント誌
・2006年12月『冒認出願における立証責任の判断』知財管理(2006年12月号(VOL.56、No.12)1895頁)
・2007年2月『最近の進歩性判断事例の紹介』AIPPIジャーナル(2007年2月号)
・2007年10月『(解説)コンピュータソフトウエア関連発明における明細書作成の留意点』パテント誌(2007年10月号)
・2008年3月『知って得するソフトウエア特許・著作権(五訂版)』 アスキー出版
・2009年10月『知っておきたいソフトウェア特許関連判決(その17)』パテント誌2009年11月号
・2012年7月『知って得するソフトウエア特許・著作権(改訂6版)』 アスキー出版
・2013年9月インターネットの法律問題 (-理論と実務-) 』 (共著)新日本出版
・2015年『Q&A インターネットの法務と税務 』(共著) 新日本法規出版
・2018年9月「発明の開示要件からみた上位概念発明の開示について」別冊パテント誌第20号 日本弁理士会
・2020年7月「モノのサービス化に伴う実施行為の柔軟な解釈の必要性について」別冊パテント誌第23号 日本弁理士会
・2022年10月「学習済みプログラムのパラメータを物の発明として把握できるのか」別冊パテント誌第27号 日本弁理士会
・2024年11月「「メタバースにおける発明の実施」〜仮想空間における「実施」を現実社会における「実施」と評価できるか?〜」別冊パテント誌第31号 日本弁理士会
■最近行った講演・講師                                                                                          
・1993年2月 『ソフトウエア業界のための知的財産権セミナー』 ソフトウエア研究会主催、東京・大阪両会場にて講演
・1993年10月『著作権入門セミナー』東洋情報システム主催
・1997年3月『マルチメディア時代の知的財産権』 高知県ソフトウェア産業協議会主催
・2000年7月『ビジネスモデル特許を取得するために』クリーク&リバー社主催
・2000年7月『ビジネスモデル特許戦略』日本テクノセンター主催
・2000年7月『知って得するビジネスモデル特許の現状と課題』発明協会香川県支部主催
・2002年3月『知的財産権入門』日本綜合経営協会主催
・2003年1月『コンピュータソフトウエア分野における侵害対策について』発明協会大阪支部主催
・2003年3月『よい特許を取得するために』弁理士会近畿支部主催
・2004年10月『特許明細書のチェック方法』ブランディインターナショナル株式会社主催
・2004年10月『知らなかったではすまない特許権侵害』弁理士会近畿支部主催
・2006年10月〜11月「知的財産の実務(特許編)」関西大学大学院商学研究科
・2006年11月「知らなかったでは済まされない、知的財産侵害/権利侵害とその攻防」経済産業省四国経済産業局主催
・2007年1月「知らなかったでは済まされない、知的財産侵害/権利侵害とその攻防」経済産業省四国経済産業局主催
・2007年6月〜7月「知的財産の実務(特許編)」関西大学大学院商学研究科
・2007年9月「知らなかったでは済まない特許権侵害」経済産業省四国経済産業局主催
・2007年9月「著作権基礎編」奈良先端技術大学技術移転人材育成プログラム2007 
・2007年11月「ネット上のコンテンツ著作権入門」関西大学片寄ゼミ 
・2008年10月「コンピュータ関連発明を自分のものにするために」(第1部担当)日本弁理士会ソフトウェア委員会主催
・2008年10月「特許権侵害は、こう判断する!」経済産業省四国経済産業局主催
・2008年11月「ソフトウエア関連発明を自分のものに!、明細書作成における3つのキーポイント」第1部担当 日本弁理士会会員研修
・2008年10月〜12月「知的財産の実務(特許編)」関西大学大学院商学研究科
・2009年11月「コンピュータ関連発明の実務上の問題点」日本弁理士会中国支部主催
・2010年1月「クレームの作成解釈」日本弁理士会実務修習
・2010年8月〜9月「知的財産の実務」(1)〜(4)経済産業省四国経済産業局主催
・2011年1月「クレームの作成解釈」日本弁理士会実務修習
・2011年1月「コンピュータソフトウエア関連発明のクレーム作成上の留意点(ワークショップ)(まとめ担当)」日本弁理士会ソフトウェア委員会主催
・2011年7月〜8月「発明ものさしセミナー中間処理編(1)〜(4)」経済産業省四国経済産業局主催
・2011年11月〜12月「発明ものさしセミナー初級編(1)〜(2)」大阪発明協会主催
・2011年11月「中小企業でもできる知財を使ったビジネス展開とは!」 関西アーバン銀行主催
・2012年3月「相手が作成した契約書で利益が全て吸い出される! 回避するための3つのポイント」 ものづくりビジネスセンター大阪主催
・2012年6月「他社との事業協力にて、互いに利益のある関係を築くための3つのポイント」 吹田地域雇用推進協議会主催
・2012年10月「2012年の知財判決を振り返って」 日本弁理士会主催
・2012年11月「知財を知って売上げアップのための事業戦略を考えよう!」 ものづくりビジネスセンター大阪主催
・2013年2月「こうすれば儲かる発明ができる!」 吹田地域雇用推進協議会主催
・2013年6月「特許のネタ見過ごしていませんか?」 吹田地域雇用推進協議会主催
・2013年10月「発明把握セミナー(1)(2)」高知県主催
・2013年11月「2013年の知財判決を振り返って」 日本弁理士会主催
・2013年11月「ビジネスと著作権」 日本弁理士会主催
・2014年9〜10月「発明シェイプアップセミナー(1)(特許調査編)(2)(発明把握編)(3)(侵害編)」 高知県主催
・2014年10月「著作権でレッドカードもらわずに、業務をサクサク進めるには?」 日本弁理士会主催
・2014年11月「2014年の知財判決を振り返って」 日本弁理士会主催
・2015年2月「ソフト特許侵害警告に対する3つの留意点(初・中級編)」近畿経産局主催
・2015年9〜10月「発明シェイプアップセミナー(1)(特許調査編)(2)(発明把握編)(3)(侵害編)」 高知県主催
・2015年10月「IoT時代の知財戦略」近畿経産局主催
・2015年11月「2015年の知財判決を振り返って」 日本弁理士会主催
・2016年3月「性能試験標準と知財の関係」 一般社団法人神奈川県発明協会主催
・2016年9月「知財契約チェックと契約管理」「性能試験標準と知財との融合で新市場の創造へ」 キャノンITソリューションズ主催
・2016年9月「2016年の知財判決を振り返って」 日本弁理士会主催
・2016年9〜10月「発明シェイプアップセミナー(1)(特許侵害対応編)(2)(中間処理編)」 高知県主催
・2017年2月「お客様に自社商品を魅力的に見せる知財の活用」 日本弁理士会主催
・2017年2月「弁理士として知っておきたい著作権のイロハ 」 日本弁理士会主催
・2017年6月「ビジネスを飛躍させるIoT特許とは?」  Bizipnest主催
・2017年7月「学校教育現場での著作権」 大阪市教育委員会主催
・2017年8月「IoT特許って何?“中小IT企業が新ビジネスに参入し易くするツールとして”」  関西電子情報産業協同組合主催
・2017年9月「かがわ知財経営塾 企業価値を高める〜知的財産活用入門〜」 主催
・2017年10月「2017年の知財判決を振り返って」 日本弁理士会主催
・2017年10月「IoT時代における画面デザイン」  Bizipnest主催
・2018年3月「具体的事例で学ぼう! 知っておきたい模倣デザイン対策」大阪府産業デザインセンター、(地独)大阪産業技術研究所主催
・2018年10月「2018年の知財判決を振り返って」 日本弁理士会近畿支部主催
・2018年10月「かがわ知財経営塾2018 中小企業にて知的財産を活用するには!」公益財団法人かがわ産業支援財団主催
・2018年11月「これだけは押さえておこう!事例で理解する企業活動における著作権入門」 日本弁理士会近畿支部主催
・2018年11月「近年の進歩性関連判決を振り返って」日本弁理士会中国支部主催
・2019年2月「知財経営コンサルティング実践講座(東京) 知財経営コンサルティングのメニューをどう考える?」日本弁理士会主催
・2019年5月「知財経営コンサルティング実践講座(東京) 知財経営コンサルティングのメニューをどう考える?」日本弁理士会主催
・2019年5月「新社会人の方へ 事例から学ぼう! 許される模倣と許されない模倣とは?」日本弁理士会近畿支部主催
・2019年6月「2019年の知財判決を振り返って」  日本弁理士会近畿支部主催
・2019年9月値段勝負とならない下請けに! 押さえておくべきポイントはこれ!大阪府柏原市商工会主催
・2019年9月「これだけは押さえておこう! 事例で理解する企業活動における著作権入門 一般社団法人京都府発明協会主催
・2019年11月「知財契約どうする?」きらきらschool事務局主催
・2020年2月合同研修「近時の裁判例を踏まえた戦略的実務」日本弁理士会・第二東京弁護士会主催
・2021年9月「知的経営支援における知的財産基礎」関東経産局主催
・2021年12月「AI.IoT時代のコンピュータ関連知財の保護? 特許からデータ保護まで」日本弁理士会関西会主催
・2021年11月「“事業を有利に進める”ノウハウ保護ってなに?! 〜入門編」和歌山県/一般社団法人和歌山県発明協会主催
・2022年2月「AI・IoT データビジネスにおける弁護士・弁理士の創造的協業の可能性を探る」大阪弁護士会・日本弁理士会関西会主催
・2022年4月「判決速報「知財みちしるべ」より特許関連の厳選30件」日本弁理士会関西会主催
・2022年12月「企業価値を向上させるAI・IoT特許の勘所」日本弁理士会関西会主催
・2022年12月「事例から学ぶ著作権(実践入門編)」日本弁理士会関西会主催
・2022年12月『DX時代の知的財産企業価値を向上させるAI・IoT特許』和歌山県/一般社団法人和歌山県発明協会主催
・2023年4月「裁判例から考える「発明の開示」とは?」日本弁理士会関西会主催
・2024年1月「社会の変化に先手を打つ!知財活用の新しい視点と方法〜埋もれた技術をコア技術化するための考え方を知ろう〜」日本弁理士会関西会主催
・2024年3月「リアルな最新事例で学ぶ!強い経営・次の一手 〜知って得する知財マネジメント〜 」一般社団法人発明推進協会 主催
・2024年6月「【MOBIO知財セミナー】知財基礎セミナー〜事例から学ぼう、許される模倣と許されない模倣とは〜」MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)主催
・2024年12月「いまさらきけないAI関連発明の明細書作成」日本弁理士会北陸会主催
















@判例研究をしてみて  私は1990年(平成2年)に弁理士試験に合格しました。実務経験ゼロから、今の事務所に入所し、はやく顧客の要求に応じられるようになりたくて、各種の勉強会に参加しました。ちょうどその頃は、改善多項制が導入されて数年経過したころであり、実務の世界では明細書の質の向上が叫ばれていた頃でした。
 このような実務の風潮の下、判例を研究していると、明細書作成時に徹底的に贅肉をそぎ落として骨格をきっちり探っておかなかった結果、紛争の種を作り出してしまっている事例にぶつかりました。これは、中間処理でも同じです。特許にするための最小の限定で済ますべきところを、つい余分な限定を入れてしまって、侵害訴訟で負けてしまうという事例もかなりありました。
 その意味で、あきらめないで発明の本質をあぶり出す作業、つまり、『粘り』が必要なんだと痛感させられたわけです。戻る



















A訴訟を経験してみて  出願処理だけでなく、特許権侵害訴訟の代理人をやりました。訴訟で勝つために大事なこと、それは、裁判官を説得することです。裁判手続きでは、権利範囲外であるとか、特許が無効だという主張をします。そのためには、1つ1つの証拠を丁寧に積み重ねて、論理の破綻がないように立証しなければなりません。
 しかし、決定的な証拠がきっちりとそろっている場合も多々あります。逆にそのような証拠がないから、訴訟になるわけですが・・・。
 具体的には、無効資料として、出願時の公知文献を探したりします。訴訟の時点では、出願から10年以上たっていることも、当たり前です。それが当時の技術であったとしても証拠がなければ、裁判所は無効とは判断してくれません。このような決定的な証拠がない場合には、他の複数の間接事実から、証明できないかなどを考えます。そのためには、クライアントから事情を聞き、なにか使える証拠はないのかを探し出すしかありません。その意味でも、やはり『粘り』は欠かせません。戻る




















B思いを伝える代弁者として  『粘り』により出願発明の本質を明確にしたとしても、全ての案件について、審査時、権利行使時に、必ずしも、よい結果とつながるわけではありません。たとえば、時間をかけても、最初の打ち合わせの範囲と変わらないということもあるかもしれません。その意味では、非効率なのかもしれません。
 たしかに、発明は客観的なものです。公知技術との違いが明確にすれば、特許になる場合も多いでしょう。しかし、本当にそうでしょうか?、審査官や裁判官も人間です。先行技術との関係では、ほんの小さな違いしかない場合でも、発明者の熱い思いを伝えられれば、よい方向に進む可能性もあります。弁理士は代理人ですが、発明者の熱い思いを伝える代弁者となるためにも、やはり『粘り』は捨てられません。
 特に、中小企業はもちろん、大企業でも、ある出願が会社の運命に大きな影響を及ぼす可能性はゼロではありません。現在、長期におつきあいさせていただいているクライアントには、そのような点を評価していただいているのかもしれません。戻る